2016年9月13日火曜日

シリアから逃れて

9月10日に、KSN国際交流クラブ主催の「特別トーク シリアから逃れて」を開催しました。
 (こういう固いテーマは敬遠されるかな・・)と心配しましたが、30名近くの方々の御参加で、会場は一杯になり嬉しい限りでした。

遠く離れたシリアですが、皆さまの関心が深いのにも感心いたしました。

ムハマドさんの一市民としての戦争体験、また現在のシリアの状況等を、歴史的観測を交えながらのトークに、会場からはからは「へー!」とか「ホ~!」「ワー!」とかの感嘆詞が何度も聞かれました。

その時の様子を少し紹介させていただきます。



(演題) LIFE STILL GOES ON 
     (それでも人生・生活は続く)


                 色々と工夫されたスライドに興味深々
             
「写真撮ります」と慌てて言った時は、既に半数近くが帰られてました(・∀・)♪+.゚

               
            熊大の博士課程を終了後、帰国され講師をされていたシリアの大学


戦争が始まり、キャンパスは爆撃で姿を消した。生徒数も激減・・
しかしテントが張られ、その中での大学の授業は今も続く


ムハマドさんのお話の中から・・・

① 私がシリアで講師をしていた大学は爆撃され、建物が一つも残っていない。しかし大きなテント一つが立ててあり、生徒数が激減した今でも、限定的であるが大学の機能は果たせている。

②戦争が始まって,物資が不足し値上がりがひどい。貨幣価値も1/10に落ちた。しかし、このような超インフレ下でも、時間はかかるが、物は調達できるので、生活はどうにかやっていけている。
でも、難民として国外に逃れた家族からの送金に救われているのが現状だ。

③シリアは過去何度も諸外国からの難民を受け入れてきた。例えばパキスタンからは150万人の難民を受け入れたこともある。

それで、受け入れ国の民衆の怒りや不安も十分理解している。
しかし、時が経つにつれて、難民は良い労働力になり、起業する人も多いし、高学歴の人も少なくない・・国にとって有益な、そんな事が分かって来るものである。
ヨーロッパ諸国が、テロリストの存在の可能性を恐れながらも、難民受け入れを止めないのは、それを知っているからだとも言える。

④長い歴史を振り返ってみると、シリアや湾岸諸国は多くの国から征服されて来た。ギリシャ、エジプト、ローマ、ペルシア、モンゴル、イギリスやフランス・・・大きなものだけでも17回もある。それに細かい戦争等を加えると、数え切れないほどである。
言わば、庶民は戦争に慣れているとも言える。「また戦争?」といった感じである。

⑤長い歴史の中で戦争が多かったので、庶民は余ったお金を貯蓄するよりも、いざという時のために「物」を買っておく習慣がついている。私も、日本で買い物していると、ついつい買いすぎてしまう傾向がある。

⑥なぜ戦争が終わらないのか、個人的な意見として、列強諸国の新兵器実験の場となってしまっている様に思える。また、そういう国の力を誇示する、ショールームになってしまっているとも思える。

⑦ 多くのシリア人は、「政治がどうあれ、大統領が誰であれ、かまわない。とにかく普通の生活をしたい」と、強く願っている。