シリアのダマスカスに住むMさんから久しぶりにメールをいただきました。
UN軍の撤退が決まり、アレッポで日本女性ジャーナリストが銃弾に倒れたりと、日に日に内戦状況が悪化するシリアです。
人が殺されるのも日常茶飯事になってくると、何も感じなくなるそうで、これも人間の持つ恐ろしい
と言うか、悲しい側面と言えるでしょう。
「それでも人生にイエスと言う」
(ドイツのナチス収容所から生還した、心理学者フランクルの言葉)
シリアの人々が「生きていて良かった」と思える日が早く来ることを祈っています。
和訳)
本当に状況は日に日に悪くなっていますが、私たち家族は皆まだ大丈夫です。
アレッポでの日本人ジャーナリストの悲劇につきましては、こころからすまなく、残念に思います。
でも毎日たくさんの人が死んでいますので、死の知らせを聞くことが日常茶飯事になっていますので、日本人ジャーナリストの死は、ここでは何の大きな影響もありません。
特にその女性はシリアに不法に入国しているので、シリア政府は責任を否定しています。
(と政府は発表しています、真実は分かりません)
しばらく前のことになりますが、別の日本人ジャーナリストが私にコンタクトしてきて、シリアに来れるように手配して欲しいと頼んで来ました。
私は彼に状況を説明し、無許可で入国することがいかに危険な事かを説明しました。
こちらの夏はいつもより暑くないです。(戦争で大変ですが)少なくとも乾燥した夏は楽しめます。
熊本が本当に恋しいです。日本、またはどこでもいいんですが、どこかここを脱出できるように、
どこかで奨学金を得るため、色々努力しているところです。
英文)
. Indeed, the situation is worsening everyday
but my family and I are still safe.
Sorry for the tragic lose of the Japanese
journalist in Aleppo. Since we are losing so many people here everyday, hearing
about death became so normal thing and the lose of the Japanese journalist did
not leave a big effect here especially that the government declined
responsibility due to the unauthorized entry to Syria (according to what they
said). Another Japanese journalist contacted me a while ago to arrange visiting
Syria but I explained to him the situation and how dangerous it is to enter
without permission.
This year, summer is not that hot as usual here. At
least I can enjoy the dry air.
I miss Kumamoto so much and I am making
efforts to obtain another scholarship to leave to Japan or any other
place.
シリアの内戦は、拡大の一途となっているようです。世界各地で、政府軍と反政府軍の戦いで、犠牲になるのは、武器を持たない子ども、女性、お年寄りなどです。何万人もの罪もない一般人が、内戦の犠牲になるのは、本当に悲しいことです。しかし、その事実は、報道されて初めて分かることです。それは、最前線で事実を報道しようというジャーナリストによって伝えられ、私たちが知ることが出来るのです。危険な場所での取材は、死を覚悟しなければならないこともあるのでしょう。山本さんも長年戦地を取材されていて、覚悟はされていたとは思いますが、亡くなられて本当に残念です。シリアでは、余りに多くの死亡があって、一々悲しんでいたら、頭がおかしくなるのでしょうか。早く内戦が、終結し、平和が戻ってくることを祈るだけです。
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