2014年1月17日金曜日

興味深いお話No.36~ペルーは今バブル真最中!

数年ぶりに、自国ペルーでのクリスマス&お正月を過ごされて来たデニスさんに、「ペルーの今」についてお聞きしました。
金や銅等の天然資源の世界的な値上がりは、ペルーを潤しているようですが、それは本当の成長とは言い難いようです。


私)久しぶりに、母国でのクリスマスを御両親と過ごせて、良かったですね!

デニス)はい、両親も私の帰郷を心待ちにしていたみたいで、本当に喜んでくれました。
でも、日本に住んで10年近くになる私は、全てを見る目が「日本標準」になってまして、
ペルーの悪いところばかりに気が付いて、そう言った意味では楽しめませんでした。

私)そうだったんですかー具体的にどういった点なのでしょうか?

デニス)先ず、ペルーに帰ったのは2年ぶりなんですが、物価がすごく上がっていたのに驚きました。例を言いますと、中級のレストランで普通の食事をするのに、2年前は15ドルくらいだったのが、今は35ドル位かかるんですよ!驚きました。
不動産もすごい値上がりで、アパートで言いますと、2年前は中級レベルのアパートの家賃は700ドル位だったのが、今は2500ドル位するんです!

私)それはまさにバブル真っ只中の様相ですね。

デニス)そうなんです。ここ10年来の金や銅等の天然資源の高騰、そして果物や野菜等の農産物の輸出の伸びが引き金となったようです。

私)私も、ブラジルやペルー、ボリビア等の急速な経済成長については知っていました。ブラジルとペルーには行ったことがあるので、やはり身近に感じているせいでしょうね。

デニス)あ〜、そうだったですねー
経済が成長するのは国にとって良いことなのですが、ペルーの場合は昔から、ただ単に天然資源や農産物を「輸出するだけ」なんです。日本は天然資源は殆どなくても、技術を基盤とした加工貿易で成長し、今はGDPは世界3位ですよね。
ペルーは、そう言う事ができないんです。

私)と言うことは、工場とかが無いということですか?

デニス)そうなんです。
例えば、あなたがニッケルを掘り当てたとしますね。そしたらオーストラリアやアメリカやヨーロッパ諸国、また日本などの外国資本が、あなたと国に幾ばくかのお金を払って利権を買い、全部自国へ輸出してしまうんです。
本当はペルー内に工場を立てさせて、技術習得や国内雇用に役立てるべきなのに・・・

私)本当ですねー、工場が無いと言うことは技術者等も育成してないんでしょうか?

デニス)驚くべき事に、そうなんです。工業高校や技術専門学校も、ペルーには一つしかないんです!端的に言いますと、ペルーにはメンテナンスができる技術者しかいなくて、工業製品を開発する技術者はいないんです!

私)豊富な天然資源があるのに、それはもったいないですよね・・・
  ペルーももっと人材を育てて、自国に産業を育成する方向に向かえばいいのにですねー

デニス)私もそう思うのですが、歴史的・文化的に難しいようです。
国民も昔から、「今が良ければいいよ、先のことを心配してもしかたないよ、ちゃんと食べていけてるんだから良いじゃない」といった感じで生きているんです。
母と買い物にも行って来ましたが、みんなスーパーでも山のように買い物していました。金などの天然資源価格はいつ暴落するか分からないのに、みんなそんな事は考えもしてないで、今のバブルを楽しんでいる雰囲気でした。

私)バブルを経験した日本としては、その様子が冷や汗が出るほど想像できますね。

デニス)日本と違ってペルーは汚職がはびこり、政治も腐敗してますから、なお一層危険な状況です。今年中にはバブルが弾けると言う人もいて、ちょっと怖い状況です。

私)そうなんですね!
世界経済も緩和政策がいつまで続くかによる状況ですから、日本も決して安全圏ではないです。
ちょっと暗い話しになりましたが、とても勉強になりました。
ありがとうございました。

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