グルガオンから車で約4時間かかった。
グルガオンからジャイプールに伸びる高速道路が約7年前にできたおかげで、渋滞から解放された本来の高速のスピードで走ることができて助かった。
車窓にはどこまでも、どこまでも続く、山が全くない広大な平野が続く景色を堪能できた。しかもその平原のほとんどは農地だった!
調べてみると、インドは国土の約半分が農地でGDPの17‰は占める重要な産業だそうだ。また米や小麦の生産量は世界第2位だそうで、これも全く知らなかったので驚いた。
日本のような耕作放棄地は全く見えない。
また、日本と大きく違う田園風景は農業機械がほとんど見えないということだろう。たまにトラクターが耕作しているのを見かけるだけで、あとは人間が手作業をしているのが見えるだけだった。
ここにも豊富な農業労働力を垣間見ることができた。
もう一つ大きな違いに気がついたのは夫であった。
「どうしてあんなに木が多いのだろう? 日陰があると作物はよく育たないのに、、、」
夫が調べたところによると、農地に低い木が点在するのは主に「アグロフォレストリー」(農林複合経営)と呼ばれる伝統的かつ現代的な土地利用システムだそうだ。
このシステムには、農家の生計向上と環境保全の両面で多くの利点があるそうだ。
- 多様な林産物の供給源: これらの木は、農家にとって重要な燃料材(薪)、飼料、建設資材、そして換金作物としての木材を提供する。
- 農業生産性の向上:
- 木の根が土壌の浸食を防ぎ、落葉が有機物として土壌肥沃度を高める。
- 作物や家畜に日陰を提供し、特に暑く乾燥した地域で過酷な気候を和らげるのに役立つ。
- 強風から農作物を守る。
- 木材やその他の林産物からの収入が農家の経済的な緩衝材となる
- 生物多様性の維持: 農地内に木があることで、さまざまな動植物の生息環境が提供され、生物多様性の維持に貢献する。
こんなに利点が多いアグロフォレストリーは政府も支援している。2014年に国家アグロフォレストリー政策を導入し、気候変動の緩和と農業生産性の最大化を目指して、この慣行を積極的に推進しているという。
とても興味深い農業政策で、頑張ってほしいと思った。
そんなことを調べたり、考えたりしているうちにジャイプールのお城が見え始めた。