2011年2月13日日曜日

興味深いお話(No.20)~アメリカの生活裏話~

今月から私の英語スクールで講師をお願いする事になりました、セバスチャンはとっても素敵なまだ20代の青年です。カリブ海に浮かぶ美しい島国、プエルトリコから家族と供にアメリカに移住されたのは、10歳の時だったとか。
そのせいか、英語はネイティブと同じです。
3ヶ月ほど前に、長年の夢であった「日本に住みたい」が実現し、今は日本人の奥様と充実した毎日を過ごされています。
そんなセバスチャンとのある日の会話は、いつの間にか「アメリカの苦難」が見え隠れする内容となりました。
ここで一部を御紹介させていただきます。

私)日本に来られて3ヶ月だそうで、全てが興味深く感じられている事でしょう。
  今のところ、何が一番印象的でしたか?

セバス)それはもう、「健康保険」です。妻から「はい、これがあなたの保険証よ」と言って渡された時は、「WOW!」と感動してしまい、とっても嬉しかったです!生まれてはじめての健康保険証でした。
アメリカでは多くの人が保険は持ってなくて、持ってる人の方が少ないんです。

私)そうみたいですね。
ある本で、「アメリカでは普通に生活していると、いつの間にか借金漬けになっている」とありましたが、その大きな原因のひとつは「無保険と高額医療」だそうです。

セバス)そうですよ。
私も辛い経験があるんです。数年前にひどい肺炎にかかってしまい、ある大きな病院に行きました。診察とお薬をもらったんですが、
1,700ドル(約160000円)も取られました!
おまけに薬の量が少なすぎて、全然良くならなかったんです。しかたないので、公立の小さな診療所を受診しました。そこでは充分なお薬をもらえましたので、よくなる事が出来ました。

私)診察と薬でそんなにかかるなんて、驚きますね!
  でも、そんな公立の診療所もあるんですか?

セバス)はい、設備も良くなくて小さいんですが、15ドルと言う低額で受診する事が出来ます。でも、軽い病気しか治療できません。深刻な病気はやはり大きな病院に行かざるを得ませんから高額になります。

私)そうですよね。まあとにかく、肺炎が良くなって良かったですね。

セバス)ええ、でも一月近く仕事を休んでしまって、辛かったです。その公立のクリニックのお医者様も、「そんな定量の薬で良くなるはずがない」と驚いていました。とても悔しかったですよ。

私)そうですよね。でも、そんな公立の低額で受診できるクリニックがあると、 救いになる人も多いですよね。

セバス)ええ、でも、受診を希望する人が多すぎて、普通は1,2ヶ月は待ってないといけないんです。

私)わー、それは大変だ。
オバマ大統領も「国民皆保険」を目指しましたが,うまく行ってないみたいですね。
 ところで,その他に日本に来て印象的だった事は?

セバス) そうですね。以前より悪くなっているとはいえ、日本の仕事環境はアメリカに比べたらまだまだ良いですよ。

私)日本も失業率は5%を越えてますが、アメリカは10%位あるんでしょう?

セバス)ええ、凄く悪いです。また数値に現れない現実もありますからね。
 アメリカでは仕事を二つ、三つ持って働いている人も多く見かけます。それは
生活を豊かにするためとかではなくて、「普通に食べて行く」ためだけになんです。特に、メキシコとかからの移民はそんな境遇に置かれています。彼らは
メキシコに住む家族への送金もしてますから、本当に大変です。

また、そういう境遇にある移民達の境遇は「新しい奴隷制度」とも呼ばれています。

私)その言葉は、何かの本で目にした事ありますよ。
  暗い話になってしまいましたが、日本がそういう状況にならに様に
願うのみです。
  ここで、セバスチャン、陽気なサルサでも聞いて元気を付けましょう!

セバス)そうしましょう!! ♪♪♪♪♪…

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