町の図書館で、「九州を舞台とした小説」の特設コーナーを目にしました。
「屋久島」が最後の舞台になっていますが、屋久島に行ったことがあるのも手伝って、興味をそそられ読んでみることにしました。
そしたら、
私の生まれる前年に出版された本なのに、何と新鮮なのでしょう!
物語に出てくる主人公(女性)の置かれた立場は、現代でもさほど変わってない様にも感じたのです。もちろん選択肢は現代が増えているものの、根底に流れる孤独感や経済的苦悩等は現代もほぼ同じと言えることに驚きました。
また、そんな苦しい中でも希望と勇気を持って、人生を切り開く主人公・・・それは林芙美子自身の姿だったのかも知れません。
林芙美子の未発表の詩の全文が見つかったのは、つい数年前でしたね。
私もこの詩は大好きで、特に最後の言葉が夢を運んでくれます。
雲も光るなり 生きてゐる幸福(しあわせ)は
波間の鷗のごとく
漂渺とたゞよひ
生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私もよく知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり
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