2014年5月18日日曜日

興味深いお話No.39~ナイジェリアの少女拉致事件

ナイジェリアで200人を超える少女達が一晩のうちに拉致されました。
「ボコ ハラム」と言うイスラム過激派の犯行です。
今も少女達の安全が心配されますが、詳しいお話をナイジェリア出身のチケさんにお聞きしました。

私)200人を超える少女達が拉致されて、もうひと月以上が経ちますが、心配ですねー。

チケ)はい、家族達の心配・悲しみは例えようがありません。

私)いったい、この「ボコ ハラム」と言う集団は何者なのでしょうか?

チケ)「ボコ ハラム」は「西洋教育は悪で禁止」という意味ですが、アルカイダと結びついているイスラム過激派グループなんです。

私)怖いですねー!それは大きなグループなのでしょうか?

チケ)はい、リーダーはナイジェリア人ですが、国境付近に拠点を置いていて、チャドやニジェール等の周辺諸国から少年兵を集めているんです。今ではとても大きなテログループとなっています。

私)やはり、貧困が招く悲劇なのでしょうか。

チケ)残念ながら、そうです。2ヶ月ぐらい前にもナイジェリアで自爆テロがありましたが、少年兵によるものでした。「神のもとへ召される」と教育するんです。そして、その少年の家族にはお金が払われます。

私)先日、アカデミー賞を取ったアメリカ映画「12years as a slave」を見たんですが、それにも少年兵達が出てきて、「家族のために」、「神に使える」と言う思想が基盤にあって、残酷な事も平気でするんです、悲惨でした。

チケ)そうですか。今回の事件は真夜中の2時頃に、軍隊と偽って高校の寮に侵入し、少女達を誘拐しました。少女達も、「自分達をテロから守ってくれる軍隊だ」と信じていた様です。

私)誘拐されたことが解った時は、さぞ怖かったことでしょう。でも、どうしてそんな事をするんですか?少女達を売り飛ばすためでしょうか?

チケ) 「12ドルで売るように、神のお告げがあった」とリーダーが言っていて、実際に売っているという情報も入っていますので、心配です。でも、この事件の背景には政治問題も絡んでいるんです。

私)と言いますと?

チケ)今度、少女達が襲われた村はキリスト教の村なんです。
実は、ナイジェリアでは1960年から2008年までイスラム教徒の大統領が就任していたんですが、その後の選挙でキリスト教の大統領となり、今日まで続いています。
だから「恨み」が根底にあるんです。キリスト教の政府をかく乱し、弱体化させたいのです。

私)ナイジェリアでは、イスラム教徒とキリスト教徒の割合はどれぐらいですか?

チケ)フィフティ・フィフティです。だから、これからも色々な紛争が続きそうです。

私)そうですねー、ところでアメリカも軍隊を派遣して、少女達の奪還に動いているようですが。

チケ)アメリカだけでなく、中国、イギリス、フランスも軍隊を派遣していますよ。
ナイジェリアにはあらゆる天然資源があり、言わば宝の山が眠っているんです。
また経済成長も著しいですから、今度の事件に貢献することで何らかの足がかりを掴み、その宝の山の分け前にありつきたい、と言うのもあると思いますよ。

私)確かに、世界史を紐解いてみても、それは言えますね。何はともあれ、一日も早く、少女達が家族の元へ帰れますように祈ってます。


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