2016年3月26日土曜日

興味深いお話しNo.51~「難民キャンプにサイバー大学」


御存じのように、戦闘が続くシリアを逃れた人達は数百万人にも登ります。当然のことながら、将来への希望を持つのが難しい若者達も数多くいます。
「そんな若者達に大学教育を・・」とのプロジェクトが持ち上がっているそうです。
熊本大学院の研究員Mさん(シリア出身)も、メンバーの一人として尽力されています。
お話を伺いましたので、少し紹介させていただきます。

M)家に帰ると妻が、「もうちょっと喋ってくれない?」とか言うんですけど、会議でさんざん話した後は疲れ切っていて、必要最小限の事しか話したくないんですよ(⌒∇⌒)

私)へー、何をそんなに話し合われてるんですか?

M)今、世界でもトップレベルの大学、グーテンべルグ大学(ドイツ)の協力の下で、シリア難民キャンプに「サイバー大学」を作ろうとしているんです。
それで、関係者の方達とスカイプで会議をしてます。

私)それは凄いプロジェクトですね!
サイバー大学については、私も新聞で読んだことがありますが、難民キャンプにもできるんですね。実現すれば、本当に素晴らしいですね!

M)そうです。御存知のように、シリアからは数百万人が周辺国に難民として逃れて行っています。その中には多くの若者もいて、その40%は高校を卒業しているとの調査があります。

私)そんなに多いんですね。きっと大学で勉強したい若者達も多いことでしょう。
今、周辺国と言われましたが、どんな国に、どれぐらいのシリア難民がいるのでしょうか?

M)はい、まずトルコには200万人以上、そしてレバノンに約100万人、ヨルダンに約150万人、そしてドイツには約80万人との調査が上がっています。
特にドイツはEU諸国の中では、最多の受け入れをやっています。

私)本当に凄い数ですね!
ドイツの難民受け入れについては、私も新聞で読んで知ってます。ドイツは難民をただ受け入れるだけでなく、良い労働力として
役立てたいとも思っているそうですね。

M) そうなんです!
と言いますのは、殆どのシリア難民は学校教育を受けているんです。国がああなる前は、教育も充実していました。難民の約20%は大学や大学院卒だそうです。他に、ビジネスマン、エンジニア、そんな技術を持った人達も多いんですよ。
そういう人達は、ドイツでも質の高い労働力となりますから、難民受け入れは人道的な面、マイナスな面多々ありますが、それだけではないんです。

私)ドイツはそれを良く知っているんですね。

M)はい、シリアもずっと以前の「湾岸戦争」があった時に、イラクから150万人位の難民受け入れをしています。
それで、「良い労働力として国に役立てる」という考え方は、よく理解できますし、必要な事です。

ドイツに住む妹が言ってましたが、難民の中にはドイツで新しくビジネスを立ち上げた人達もいるそうです。
その様に、ドイツに貢献できる人材を育てたいという思いがあるのだと、思います。

私)それで、その「サイバー大学」はどのようなものですか?

M)一つのテントの中にパソコンを何台か設置します。そして若者達は無料で授業を受けれます。全て無料ですが、ちゃんと単位も取れるんですよ。

私)そうなんですね。で、そのコンピューターは誰が提供するのですか?

M)国連です。国連はそういった「難民キャンプ サイバー大学」の設置にも力を入れています。

私)それは良いことですね

M)私達はボランティアとして、授業をしたり、テストを作ったり、翻訳したりします。

私)難民の若者達も、きっと実現を待ち望んでいることでしょう。いつごろ開始の予定ですか?

M)来年の夏にはスタートさせたいと、みんなで頑張っています!
このプロジェクトはJAMIYAと呼ばれ、アラビア語で「大学」という意味です。

私)私もJAMIYAの実現を祈りたい気持ちです




0 件のコメント:

コメントを投稿

どうぞお気軽にご感想なり、ご意見なりを
お聞かせくださいませ。