今年のThe Open(全英オープン)は第150回の記念ということで、ゴルフの聖地とされる、セントアンドリュース オールドコースで開かれている。
連日の熱戦を見ていると、テレビに映るオールドコースの風景に、懐かしい旅の思い出が鮮やかに蘇ることがある。
特に静かなうす水色の海の風景がなぜか印象に残っている。また、長い歴史のたたずまい溢れる街のようす(建物の間の狭い道路を歩いたなー)、アクセントの強い英語・・・といった感じで、30年前の旅のシーンが静かな興奮を持って、頭の中で再現されるのである。
あれからもう30年にもなるのか・・・
その時私は、幸運にも菊陽町の「人材育成基金」を与えられ、ヘイスティングズにある英語スクールで「外国人英語講師のためのブラッシュアップコース」を、2週間の予定で受講しに行くことができたのである。
せっかくなのでその前に、マンチェスターにいるイギリス人の友人宅に数日間ホームステイをして、その後スコットランドまで足を延ばすことにした。一人の友人が日本から同行した。
マンチェスターには5泊ぐらい、スコットランドでは4泊ぐらいしたと思う。
私はその当時はまだゴルフをしていなかったが、夫から話を聞いていたので、セントアンドリュースには是非とも行ってみたかったのだ。そこで友人とは別行動で、私だけで「日帰りバス旅行」をしたのだった。
目指すセントアンドリュース オールドコースには入れなかったが、そのすぐ横にある「ブリティッシュゴルフミュージアム(英国ゴルフ博物館)」には入ることができた。
中には600年にも及ぶゴルフの歴史をパネルや写真、映像ともに紹介してあり、全英オープン最初のチャンピオンベルトや勝者に贈られる優勝トロフィー、クラレットジャグなどの所蔵品が所狭しと並べてあった。ゴルフが世界中へ広まっていった様子やセントアンドリュースの町に与えた影響、全英オープンの歴史をたどる展示なども興味深いものがあった。
全体的に重厚で静かな雰囲気で、とても素敵な空間が広がっていた。
またどうしてか分からなかったが、テレビにはボビージョーンズがオールドコースでプレイしているビデオが流れていた。
後で調べてみると、1930年〈28歳)の時に、彼は多難の末に、何とアマでここで優勝したそうだ!
この年はグランドスラムも達成しているそうで、オールドコースとしても記念すべき年なのに違いない。
こんな特別な体験の一日旅行だったのに、今の私の手元にはミュージアムで購入したタオルが残るのみである。写真もどこに行ったか分からない。きっとCDに焼き付けて、家のどこかに埋もれているのだろう。
探したい気もするが、それよりも元気なうちにもう一度、セントアンドリュースに行って、それもオールドコースでゴルフをしたい。夫や弟や友人達と楽しくゴルフをしたい・・そのことの実現にエネルギーを使いたいと思う今である。
( ミュージアムで買ってきたゴルフタオル)