2014年4月8日火曜日

興味深いお話シリーズNo.37~「博士研究員の予算」

消費税アップや、それにともなう物価上昇で、一般消費者にとっては、冷たい春風が吹くこととなりました。

消費税アップだけでは財政状況の改善は難しい借金大国日本です。
新聞記事にならない所でも、予算カットが進んでいるようです。
大学もそのひとつです。

南米ベネズエラ出身で、今春「医学博士」の学位を取られた、ミゲルさんにお話しをうかがいました。

私)崇城大学で「博士研究員」をされている、ペルー出身のデニスさんが言ってましたが、研究予算が全カットされるそうですね。

ミゲル)はい、そうなんですよ!とてもショックです。2月に私の大学の先生(教授)から聞かされて、「えーっ!」と,本当に驚きました。

私)安倍総理は、「自分の手の入らない改革の分野はない」とか、外国で発言してましたが、大学の研究分野も予算カットするんですねー
その割には、議員削減や議員報酬カット等の改革は進んでないみたいですが・・・

ミゲル)でも、全大学の研究予算をカットするのではなく、優先課題を決めて、それに集中させる方針だそうです。

私)それは具体的にはどういう事でしょうか?

ミゲル)医学の分野で言えば、日本の今の優先課題は「ガン研究」とされています。それで、今までその分野で研究成果を上げている大学に、もっと予算を集中する方針だそうです。
全国的には、東京大学、大阪大学、京都大学、それに九州大学等です。

私)そうなんですねー、では、熊大は「ガン研究」では成果をあげてなかったんですねー

ミゲル)私の専門は「HIV(エイズ)研究」ですが、その分野では
熊大は大きな成果を上げてきました。でも、エイズはアフリカや東南アジア諸国等では深刻な問題ですが、日本ではそんなに問題になってませんから、仕方ないことです。
そして、熊大は小さな地方大学ですので、こういう時は立場が弱いです。

私)でも、予算カットされて、これからの生活は大変になりますね。

ミゲル)はい、大学からはフリーランスになって働くように、と言われています。

私)と言うことは、学外でアルバイトをしなさい、という事ですか?

ミゲル)はい、フリーランスですから、学外でも学内でも、フリーな立場で働いてください、という事です。
でも、私達のビザは「教授」の資格ですから、例えば、医者としてのアルバイトやら、コンビニで働いたりはできないんです。


私)そうなんですね。

ミゲル)大学で授業したり、学外で講演したりはできますが、熊大からは、「大学で授業をする時は無報酬だ」と言われています。大学がビザ発給をしてますので、その代わりだそうです。それが嫌だったら、ビザをもらえませんから、帰国しないといけなくなります。

私)それは厳しいですね。日本人の「博士研究員」もおなじなのでしょうか?

ミゲル)はい、同じです。でも、例えば医学部では、日本人はビザの必要はありませんから、医者としての仕事も出来るし、病院で医者のアルバイトをしながら研究を続けられますから、問題ないです。

私)この予算カットは、国立大だけでなく、私立大も同じなんですね。

ミゲル)はい、そうですよ

私)外国人の「博士研究員」は何人か知ってますが、ちょっと気の毒です。でも、ミゲルさんは私のスクールで先生してますから、頑張ってもっと生徒数や授業数を増やして、研究の経済基盤を強化しましょうね。(笑)

ミゲル)はい、頑張ります(笑)




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