2012年3月29日木曜日

興味深いお話 No.26~ イランの結婚事情

熊本大学院の博士課程を無事に終了され、3月に卒業されたイラン出身のホセインさんは、どこかホッとされた様子です。
スクールの空き時間にお喋りしてましたら、いつの間にか「結婚制度」の話になりました。 
「エッ!」と驚く事も多いイランの結婚事情をちょっと御紹介いたします。


ホセ)日本では結婚したら、奥さんが家計のお金を全て管理すると聞きましたが、本当ですか?

私)一般サラリーマンの家庭ではそのようです。夫のお金も妻が管理しているのが普通と思います。
私の場合は、夫がサラリーマンではありませんし、私も仕事を持ってますので、別々に管理しています。もちろん、私も必要経費は分担しておりますよ。

ホセ)イランの場合は、経済的負担は全て夫の義務です。奥さんが働いていても、必要経費は全て夫が負担するのが普通です。 私の妻は医者ですが、「私のお金は私のもの、家計を支払うのは夫であるあなたの責任でしょう?」と言いますよ。(笑い)

私)それは羨ましいですね。(笑い)
でも、それって女性の地位を低くしませんか?

ホセ) いいえ、イランの女性はけっこう強いですよ。(笑い)
結婚する時もイランの男性は大変です。

私)そうなんですか?

ホセ)まず、結婚する前に、男性は花嫁とその家族にいくらを支払うか、全て契約書に書いて裁判所に提出しないといけないんです。(この誓約金はマフルと呼ばれる)

私)えー、そうなんですか!だいたいどれぐらい払うんですか?

ホセ)だいたい妻となる家庭の生活レベルによります。 お金持ちの娘だったら、結婚しても生活レベルが変わらない程の額です。僕の場合は、妻の家庭が裕福なこともあって、金貨を何十枚も誓約しました。これは日本円にして数百万円になります。

私)そんなに大金を一度に払うんですか?

ホセ)一度でなくてもいいんです。分割払いもできますよ。ただ、全然払わないと、裁判所に訴えられたりもするんです。そして裁判で牢屋に入れられたりもよくあります。また、離婚の際には、今まで払ったお金につぎ足して、その金額を払わないと訴えられます。
昨年は20000人の男性が裁判に訴えられたようです。


私)なんか、凄いですね!

ホセ)僕の場合は、幸運にも妻がまだ訴えてないので助かってます。(笑い)

私)(笑い) でも、そんなにお金が絡むなら、花嫁の家族がそのお金をもらったりもあるのではないで

しょうか?

ホセ)はい、よくあるケースです。でも、家族が、「いいよ、マフル(誓約金)は少なくていいよ」と言う場合も多いですよ。

私)それを聞くと、ちょっとホッとしますね。

ホセ)でも、結婚してからも家計の負担は全て夫の役目ですから、夫はまず稼がないといけません。

私)そうですね。それは日本でも同じです。(笑い)
でも、夫がお金を全て負担すると言うのは、夫の地位が高いということになると思いますが。

ホセ)そうかもしれませんね。
例えば、夫が妻に「外出しないで家にいるように」と言うと、妻はそれに従わないといけません。
従わずに外出すれば、離婚することもできます。
また、夫からの性的な要求を拒むこともできません。

私)とても男性主導なんですね

ホセ)また、妻は夫がマフル(誓約金)を払わないと言って、裁判所に訴える事が出来ますが、離婚を申し出る事が出来るのは夫だけとなっています。

私)えー、かなり不公平なんですね!

ホセ)これは全てイスラムの教えに従ってるんです。
私の場合は、妻は自由にやってます。また、私も妻の能力を認めてますので、社会に活かして欲しいです。僕は妻に訴えられないように、しっかり稼ぎます。(笑い)




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