2026年8月4日火曜日

ひとり語り~No.2 「こさめさん」

                  「こさめさん」


熊本を突然の悲劇に陥れた「平成8年 熊本地震」の2日後であったろうか。
余震も弱まってきていて、通常の生活が戻ってきつつあった朝に、
夫がスマホを片手に急ぎ足で近付いてきた。

「メルカリを久しぶりにチェックしたら、(イイね)がいっぱい来てたよ!」と感激している様子だった。
(イイね)が(大丈夫でしたか?)の意味らしく、中にはメッセージを書いてくれていた人もいた。
「この人は面白いんだよなー」、「え!もう何年もコンタクトしてない〇〇さんからも」、「この人とは一度メッセージを交換しただけなのに、よく覚えてくれてたなー」などと嬉しそうにつぶやいていた。

しばらくして「あーーー」と感慨深そうに、一つの(イイね)に目が釘付けになっていた。「こさめさんのお母さんだ、、、」
「こさめさん」と聞いて、私もすぐに思い出した。
30代後半だったが難病をかかえ、10年以上も闘病生活をおくられていた女性だ。
外の世界との繋がりを求めてか、メルカリを自分のペースで楽しんでおられた。

衣類や小物等を販売されたり、時にはエッセイや詩も書かれてアップされたりもされていた。
何気ない表現に純粋さ、感受性の豊かさがにじみ出て、病気であるがゆえの人生観、世界観、そして
優しいまなざしや感謝の心が織り込まれ、読むたびに感動したことを覚えている。

しかし残念ながら、3年ほど前に旅立たれてしまった。

夫も応援の気持ちで花の種やジャケットを買ったりしていた。
ジャケットは今でも形見のように大事に使っている。

「大雨は人に害を与えるけど、小雨は人をうるおしてくれるから好き」ということで
付けられたメルカリネーム「こさめさん」

甚大な被害をもたらした今回の地震からの復興を、きっと見守ってくださっていることだろう。




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